自己破産・免責後の信用情報


先日、以下のようなお問い合わせを頂きました。

 

「8年前に自己破産しました。

 

最近家を買おうと考えていて、住宅ローンの審査を4つの銀行にお願いしたのですが、4つとも通りませんでした。

 

不動産会社の方の話では、信用情報機関の一つであるCICに情報が残っていたのが問題らしいと言われたのですが、CICの情報を消すことはできるのでしょうか?

 

また、自分でCICの情報を取り寄せようと思ったのですが、借入していた時の電話番号や免許証番号が分からないと取り寄せできないそうです。

 

携帯番号は何回も変えていますし、免許証は一度失効していて最近番号が変わってしまっていて前の番号は分かりません。どうしたらよいでしょうか?」

 

CICの情報を自分で取り寄せて、載っている会社や内容を確認したうえで、対策を考えるのが普通ですが、今回ご相談頂いた方は、過去の電話番号も免許証番号も分らないとなると、それは難しいです。

 

CICの場合、本人が情報を請求するときは電話番号又は免許証番号が登録されている情報と一致しないと発行してもらえないので、旧住所等を申告して情報を探してもらうことはできません。

 

色々ご事情を伺っていると、8年前に自己破産したときは、司法書士や弁護士に依頼せず、ご自分で手続きされたということが分かりました。

 

銀行系の信用情報機関である全国銀行個人信用情報センターの情報はご自分で取り寄せたそうですが、そこには、破産手続開始決定日や事件番号(裁判所の整理番号)が載っていたそうです。

 

全国銀行個人信用情報センターの場合は、破産手続開始決定の日から10年後の応当日の

前日まで登録されます。

免責決定を受けた場合でも、免責の事実は登録されません。

 

CICの情報を見たわけではないので、確実なことは言えないのですが、考えられる原因としては3つあります。

 

1、免責決定を受けた時、債権者に免責の事実を通知していなかったために、信用情報に免責の登録がされていないため、そのまま残ってしまっている

 

2、破産手続の際に、債権者として届け出ていなかった会社の情報が残っている

 

3、携帯電話料金等を滞納していたため、信用情報に載っている

 

司法書士や弁護士に依頼した場合は、司法書士等が免責通知を送っているでしょうから、1の可能性は低いと思います。

 

ですが、今回の方は自分で手続きしたため免責通知を送っていなかったそうですので、信用情報に破産手続をしたと記載されたまま残っている可能性があります。

 

借入先の会社によって少々破産・免責の信用情報についての対応は異なります。

 

いくつかの消費者金融やクレジットカード会社の破産免責の対応について、聞いてみましたので次に紹介します。

 

これは私が直接各会社に電話で問い合わせて教えてもらったものです。

現時点での対応ですので、今後変わるかもしれません。

 

(1)アコムの場合(CIC等に加入)

裁判所から破産手続開始決定書が送付されると、信用情報に情報を登録している。

その後、免責決定を受けたという通知が届かなくても、一定期間(3ヶ月程度)で免責決定が出ている可能性が高いので、破産手続開始決定から数か月後の日付で信用情報に免責の登録を入れている。

そのため、免責日(アコムの設定した免責日)から5年経過していれば、信用情報は削除される。

 

また、免責決定書の写しの送付があれば、正しい免責日を登録し直している。

この場合は、正しい免責日から5年で情報が削除される。

 

とのことでした。

アコムの場合、免責決定書の写しを送付していなくても、破産手続開始決定日から数ヶ月+5年間で情報は削除してくれているということです。

 

(2)日本保証(旧武富士)の場合(JICC等に加入)

原則として、免責決定日の連絡がないと信用情報には記載されたままになっている。

電話で免責決定日を教えてくれれば、過去の官報を調べてくれ確認している(もちろん郵送で免責決定書(写)を送っても良い)。

確認が取れれば、免責決定の日付にさかのぼって信用情報(JICC)に0円で完済報告をしている。

そして、免責決定の日付から最長5年で情報は削除される。

 

申し出てくれればすぐに手続するので、翌日から反映された信用情報を取り寄せることができる(なお、たまにエラーになって登録し直すことがあるので、数日明けてから信用情報を取り寄せてもらったほうが確実)。

 

とのことでした。

JICCの場合、免責という言葉は登録されないのですが、

免責の事実を連絡すると完済(0円)で登録してくれるとのことです。

 

(3)アイフルの場合(CIC等に加入)

免責決定日の連絡がないと信用情報には記載されたままになっている。

免責決定書(写)を送付すれば、免責決定日を登録してくれる。

免責決定日から、5年経過すれば情報は削除される。

 

(4)新生フィナンシャル(レイク)の場合(CIC等に加入)

原則として、免責決定日の連絡がないと信用情報には記載されたままになっている。

ただし、免責決定書(写)を受け取ってなくても、官報で免責日を確認出来た場合は、免責日の登録をしている。

ただし、官報での確認が漏れている可能性があるので、免責決定書(写)を送ってほし

い。

 

とのことでした。

官報で確認を取ってくれて、免責日を登録してくれていることも多いそうです。

ですが、免責決定書(写)を送付しておいた方が確実でしょう。

 

(5)CFJ(ディック等)

CFJは信用情報機関(JICC)を既に退会している。

そのため、退会時に信用情報はすべて消失。

現在は何も登録されていない。

 

また、自己破産の場合、官報で免責決定日を確認していることが多いが、全てのケースにおいて官報で確認が取れたというわけではないので、免責決定書(写)を送付してもらいたい。

そうすると、免責日の登録(信用情報の登録ではなくCFJ内でのデータの更新)はしてくれる。

 

とのことでした。

現在、信用情報にはすでに何も載っていませんが、免責決定書(写)は送付しておいた方が良いです。

 

(6)エポスカード(旧丸井)の場合(CIC等に加入)

破産手続開始決定が分かった時点で、CIC等に登録している。

免責通知を送っていなくても、一定期間(5年程度)経てば情報は抹消される。

ただし、免責決定書(写)を送ってくれれば、正しい免責決定日で登録し直してくれる。

免責決定の日から5年以上経過すれば情報は削除される。

 

とのことでした。

大体アコムと同じです。

 

以上、各会社の対応をご紹介しました。

免責決定の連絡をしていなくても、信用情報に免責の登録をしてくれる場合もありますが、そうでない会社もありますので、免責決定の連絡はしておいた方が確実です。

 

免責決定の連絡をしても信用情報が削除されなかった場合、考えられるのは、

2、破産手続の際に、債権者として届け出ていなかった会社の情報が残っている

又は

3、携帯電話料金等を滞納していたため、信用情報に載っている

になります。

 

2及び3の場合は、自宅の資料を探す(契約書や督促状がないか等)、過去の通帳等を調べる等して他に借り入れや滞納がないかを等を確認することになると思います。